Atelier Bonryu

infrared photography

 
 

赤外線写真_研究室

赤外線写真ー注釈3

R-3 非改造カメラのセンサー感度

非改造カメラで赤外線写真が撮れるか撮れないかは、本文に示した通り、テレビのリモコンから発射される赤外線を観察することで見当がつきます。赤外線写真が撮れそうだとわかっても、カメラによって撮りやすいものと撮りにくいものがあります。この問題について、きちんと定量的な結論を出すには測定器を揃えて条件を精度よく設定するなどの準備が必要ですから、簡単には結論を出せません。ここでは、大胆な仮定のもとに撮影実験を行って、非改造カメラの赤外線感度のおおよその目安を出すための公式を導出します。


今、ある非改造カメラを使って、ある被写体を、可視光および赤外線で撮影するとします。可視光写真を撮る時は、カメラにフィルターは付けず、赤外線写真を撮る時はレンズの前に可視光遮断・赤外線透過フィルターを付けます。


この時、レンズに入ってくる可視光の(平均的)強さを
、レンズの前に入ってくる赤外線の強さを
とします。これらの光が、赤外線遮断フィルターを通り抜けてセンサー直前に達するまでの透過率は、可視光の場合と赤外線の場合について、それぞれ、
および
であるとします。こうすると、センサー直前における光の強さは可視光の場合と赤外線の場合について、それぞれ、
になります。したがって、このカメラで赤外線写真を撮る時には可視光写真を撮る時に比べて
倍の露光量を与えなければならないことが分かります。いうまでもなくこの数値が小さいほど赤外線撮影が楽なカメラです。
は実験的に求められませんから、次のようにして倍率
を求めます。


F値(
)、シャッター速度(
sec)を用いて、
および
は次のように書き直せます。
    

    

ここで、
は定数で、
ISO値です。そこで、「同じ被写体を同一条件のもとで撮影した2枚の写真がともに適正露出であるということは、
ということである」という大胆な仮定を設けます。この仮定にはかなり主観的要素が含まれていますが、カメラの総合的赤外線感度を数倍以内の精度で決定するには十分であろうと考えられます。この仮定のもとに必要露光倍率
を求めると次のようになります。
     

本文の撮影実験の結果はこの公式を用いて解析したものです。

 
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