Atelier Bonryu

zone plate photography

 
 

ゾーンプレート写真_研究室

ゾーンプレート写真の応用ー特徴

 ゾーンプレートを、「アートとしての写真」の撮影に用いる人はまだ多くありませんが、これを科学技術の分野で研究開発活動に用いることはすでに前からよく行われておりますし、また、新しい試みも続けられています。応用を考える上で重要な、ゾーンプレート写真の性質をもう一度整理しておきます。

光路に何もない:ゾーンプレートやピンホールを光学素子として用いるときの最大の利点は、レンズや鏡と違って光の通る部分に物質が何も無いようにできることです。このために短波長紫外線とかX線のような放射線の計測を行うときに使うことができるので、原子核物理学、放射線物理学、や物性物理学の分野では有用な道具として使われています。


色収差:「ゾーンプレート写真の撮影」のところで述べたように、焦点距離を決めると、リングの大きさは光の波長によって違った値をとらねばなりません。別の見方をすれば、同じゾーンプレートについては色(光の波長)によって焦点距離が異なってきます。これをレンズの言葉に置き換えれば、「色収差」が避けられないということで、写真を撮影するという立場からは、普通、欠点と考えられる性質です。しかし、この性質を用いれば波長毎に光をわける(分光)ことが簡単に出来るということを意味しますから、特別な用途を考えれば必ずしも欠点になるとは限らない性質です。また、後に、応用の項で述べるように焦点距離の波長依存性がガラスレンズの場合と逆(ゾーンプレートでは光の波長が長くなるほど焦点距離が短くなる)であるという性質を使ってガラスレンズに組み合わせて高性能の色消しレンズを作ることが出来ます。写真芸術的な観点からはゾーンプレート特有の色収差が写真を面白くする可能性もあります。


高分解能で低コントラスト:もう一つの重要な点は、やはり「ゾーンプレート写真の撮影」のところで述べたように、リング状の隙間からの直接の光である「背景光」によっておこるコントラストの低下を適切に抑えないと非常にコントラストの弱いぼやけた写真になってしまうことです。更に、非常に大きな色収差があって狭い範囲の波長(色)の光しか焦点を結んでいないことです。これは「アートとしての写真」という立場からは、しばしば、美しいハロー(暈)を伴ったソフトな写真という「良い」意味付けがされていますが、科学技術の分野での応用を考える時には不利な点が多いので色々な対処法が考えられています。なお、光の波長の広がりが非常に狭くて、輝度の高い小さな被写体についてはリング数を大きくすればどんどん分解能が高まります。解像力が高くてコントラストの弱い写真が撮れるわけです。

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