Atelier Bonryu

pinhole photography

 
 

ピンホール写真_研究室

ピンホール写真の撮影ーピンホールの設計

ピンホールの設計:ピンホールを作る時、そのピンホールの直径はいくらであればよいのでしょうか?ピンホールの大きさが小さければ入ってくる光の量は減るので必要な露光時間は長くなってしまいますが、ピンホールの穴が小さければ小さいほど鮮明な像が得られそうな気がします。はたして本当にそうなのでしょうか?穴の大きさがある程度大きいときには、確かに、穴の直径を小さくするに従ってより鮮明な像が得られるようになります。しかし、ある限界を超えて穴の大きさを小さくすると、今度は像はぼけ始めるのです。これは、「ゾーンプレート」のところで述べてある「光の波の回折現象」によるものです。簡単に言ってしまえば、穴の大きさを小さくすると、穴を通った後でピンホール板の陰に回り込む回折光の量も穴の実体部分を直進する光の量も両方ともに減少するのですが、回折光の減少量に比べて直進光の減少量の方がはるかに大きいので、穴を小さくするに従って回折光の影響が相対的に強まって像がぼけてしまうのです。だから、穴の直径をむやみに小さくすることは像を鮮明にすることにはならないのです。

 それでは、いったいピンホールの直径(
)は具体的にはいくらにしたらよいのでしょうか(※注4)?無限遠にある点光源からの光線が半径
の円形の穴を通って感光面(スクリーン)上に像を作る時、回折のために広がって半径
の円になってしまいます。そこで、
となるようにピンホールの直径(
)を決定してこれを最適直径とします。このようにすると、
となります。ここで、
は、それぞれ、焦点距離と光の波長を表しています。可視光の波長は、400 - 700 nm(ナノメートル:1 nm = 0.000001 mm)と幅がありますからその大きさを厳密に決めることは出来ませんが、普通は、 代表的な光の波長を一つ決めて、それに合わせてピンホールの直径を決めます。光の波長として、
 
を採用すれば、ピンホール直径と焦点距離をmmの単位で表して
程度にとればよいことがわかります。このようにピンホール最適直径は焦点距離のルート(二乗根)に比例するのですが、光の波長に幅があることを考えると、普通のカラー写真を撮る時には、ピンホールから感光面までの距離が数センチから十数センチ程度の一眼レフカメラや手作りカメラについては0.2 - 0.5 mm程度の直径をもつピンホールを用意すればよいことになります。実際、ピンホールの最適直径は、波長
では焦点距離
に対して、それぞれ、d=0.26、0.37 mm となり、可視光の波長範囲
を考えると、焦点距離
に対して、それぞれ、d=
となります。
 
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研究室 ピンホール写真 ゾーンプレート写真 ダブルスリット写真 赤外線写真 紫外線写真../atelier_bonryu_g/Pinhole_a.html../atelier_bonryu_g/Zoneplate_a.html../atelier_bonryu_g/Doubleslit_a.html../atelier_bonryu_g/IRPhoto_a.html../atelier_bonryu_g/UVPhoto_a.htmlPinhole.htmlZoneplate.htmlDoubleslit.htmlIR_Photo.htmlUV_Photo.htmlshapeimage_2_link_0shapeimage_2_link_1shapeimage_2_link_2shapeimage_2_link_3shapeimage_2_link_4shapeimage_2_link_5shapeimage_2_link_6shapeimage_2_link_7shapeimage_2_link_8shapeimage_2_link_9